今回はナカミチのCR-50です。
中古整備品を購入したものの、ほどなくして走行不良に陥ったということで、2週間ほど前に機器をお送りいただきましたが、不具合が再現しなかったため、その時はそのままお返ししました。
しかし、返送後、やはり不具合が起こるということで、その時の動作状況を動画でお送りいただきました。
動画を確認した結果、「ガガガ・・・」という動作音からアイドラーギヤの破損が疑われたため、再度の修理に至りました。
照明ランプが交換されています。事前のお話と動画では、早送りは動作するものの、巻戻しと再生は即停止するという状況ですが、通常では考えられない不具合です。
動作テストを行います。再生ボタンを押すと、右側のリールが回らないため、一瞬音が出て即停止します。
しかし、早送り巻き戻しは全く動きません。お送りいただく前とは状況が変わっていますが、なぜでしょうか?
カバーとフロントパネルを取り外します。
化粧パネルを外しました。予想に反してアイドラーギヤは交換済みでした。しかし、よくよく見ると、緑色のランプがギヤに接触しているようでしたので修正を行いました。ところが動作不良は依然として解消されません。
そもそも、リールモーターのピニオンギヤが重くて回りません。モーターの固着でしょうか?
わかりました。モーターのバックパネルが外れています。配線を脱着した形跡がありますので、前修理者がモーターをOHしたと思われますが、その時の組み付けミスと考えられます。
このピニオンギヤの位置(前後)も重要です。周辺のパーツとアイドラーが干渉しないように微調整を行います。
ようやく正常に走行するようになりました。しかし、「なぜ早送りのみ動作したのか」また、「なぜ一回目の修理の時に不具合が発生しなかったのか」という理由については、ランプの接触や、モーターの組み付けの問題など複合的な要素が関係していたのではないかと思われますが、いまだに謎です。