当店で2年前に整備したTC-K333ESLです。
その時は「リフレッシュメニュー(ピンチローラー左右交換有))」を施しましたが、
一切動作しなくなってしまいました。ただし、イジェクトボタンを押すと、モーター音が鳴りますので、モードベルトの問題と思われます。
メカを取り出して分解を進めます。
さらに分解を進めると、モードベルトが無いことがわかりました。
中を開けると、切れたベルトが出てきました。
ゴムが劣化してひび割れしています。材質は一般的なCRゴムですが、2年でこれほど痛むのは非常に珍しいケースです。
プーリーを脱脂して、新しいベルトを取り付けます。今回は、耐候性の高いEPDMゴム製です。
念のため、キャプスタンベルトも点検します。この材質もEPDMゴムですが、まったく問題はありません。
ところが、左側のピンチローラーが、先ほどのベルトと同様、ひび割れしています。
既製品ですので材質は不明ですが、おそらくCRゴムと思われます。ちなみに、右側のピンチローラーも既製品ですが、異状が見られませんでしたので、違う材質が用いられていると考えられます。
本体に戻して動作確認を行います。
ピンチローラーアームを脱着後は、テープパス点検が必須です。
ヘッドアジマス調整も同様です。
バイアスキャリブレーションの効き具合や録再状況の確認を行います。
以上、修理完了ですが、オーナー様のお話では、設置場所がアンプの真上といいうことで熱の影響を受けやすいということでしたが、それにしても材質によって、これほど劣化の度合いが異なるとは驚きました。
今回は以上です。