SONY製4ヘッドDATデッキ、DTC-2000ESです。
7年前と4年前の2度、当店で修理した機器ですが、3度目の入院となりました。
カートリッジをセットします。
テープが引き出されてローディングされる音が聞こえますが、「CAUTION」表示になって動作しません。また、それとは別に、そもそもカートリッジを認識しないことがあります。
カートリッジ検出スイッチに接触不良があるようですので、接点復活剤を処置します。
カバーを開けて目視点検します。すると、
回転ヘッドが回らないことがわかりました。指で軽くアシストすると、
何事も無かったかのように回り出し、再生可能になりました。軽い固着状態だったようです。しかし、音飛びしたりノイズが混じったりします。
ピンチローラーの状態を確認したところ、カチカチに硬化していました。
メカを降ろしてカセットホルダーを取り外します。
ピンチローラーを交換します。
メカ底面のドライブボードを取り外します。
モードベルトを交換します。
仮接続して動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。
回転ヘッドの固着は決して珍しいことではありません。固着の原因としては、空気中の湿度による錆、あるいは微細な埃などが考えられますが、経験上、使用頻度を上げることにより回避することができると思われます。
今回のように軽度の場合は、元通り使用できるようになりますが、少し前に扱った10年間保管状態にあったという77ESは、完全に固着していて修理不可となりました。大切な愛機も長期間放っておくと、取り返しのつかないことになりますので、ご注意ください。