SONYのDTC-ZA5ESです。
半年ほど前から再生不可になったということです。
テープをセットし再生を開始しました。テープローディングは始まりましたが、「CAUTION」表示となってしまいます。
リッドを固定する箇所がグラついています。後ほど状態を確認します。
カバーを開けて動作状況を目視確認します。テープは所定の位置までローディングされますが、動作が重々しいため最後のひと踏ん張りが効かないようです。
デッキメカを降ろします。
裏返してMD基板を取り外します。
ベルトが硬化していますので新品に交換します。
ベルトを外した状態でギヤを指で回します。普通は軽く動くのですが、かなりの抵抗感がありますので、グリスが硬化していることが原因と思われます。
モーターユニットやギヤ類を取り外します。ギヤの中心部に塗られたグリスが硬化しています。
心臓部のリングギヤです。可動部の動きが悪くなっていますので、古いグリスをCRCで除去し、注油します。
リールユニットです。左側のリールのブレーキが効いていません。この状態では、早送りや巻き戻し後にリールがピタっと止まらないため、テープのたるみが生じ、最悪の場合、テープが機器内部に絡んでしまいます。
右写真の中央の白黒レバーがブレーキユニットです。
分解してパッドを張り替えます。
カセットホルダーを取り外します。
ピンチローラーキャップは7年前にソニーサービスで交換されたということでしたが、脱落して紛失しているため、簡単に外れてしまいます。同じものに交換したため同じ結果に至ってしまったようです。
硬化しているピンチローラーを交換します。キャップはシリコンチューブで代用します。
記事冒頭のぐらつきですが、固定しているビス2本のうち一本が脱落し、もう片方も外れそうな状態でした。
手持ちのビスを取り付け固定します。
カートリッジの検出スイッチに接点復活剤を処置します。
ホルダーの開閉不良予防のため、可動部にシリコングリスを処置します。
内部電池を交換します。
時計を合わせます。
本体にメカを戻して動作確認を行います。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。