SONY製DATデッキ、DTC-690の修理依頼をいただきました。
昨年入手し、ひと月ほど前までは正常動作していたということです。
テープを再生すると、音飛びしたり、「ブー」というデジタルノイズが発生したりします。また、「AD-DA」という表示が出て、録音できないことがあるということですが、
SONY製DATデッキでは、録音できない状態のテープをセットして、録音ボタンを押すと「AD-DA」表示になる仕様です。ということは、検出スイッチの接触不良が原因と思われます。
カバーを開けてメカを取り出します。
ヘッドを痛める原因となる純正のスポンジ製ヘッドクリーナーは既に無くなっていますが、ドラム表面が僅かに侵食されていましたので研磨します。
ドライブ基板とリールユニットを取り外します。
白黒ギヤを固定する脱落しやすい留め具は既に処置済みでした。
可動式のテープガイドに引っ掛かりがあります。
キャプスタンモーターを取り外し、
変形して間隔が狭まっているガイドレールを削って修正します。
リールユニットです。
左側の白色のブレーキパッドの位置がズレています。
ギヤやリールなどの回転パーツを分解し、グリスアップします。
ブレーキパーツを取り外します。
手持ちのパーツと交換します。
ホルダーを取り外します。
ピンチローラーがカチカチに硬化しています。これが音飛びの原因と考えられます。
カートリッジ検出スイッチに接点復活剤を処置します。
トレイの開閉トラブル防止のため、可動部にグリスを処置します。
本体に戻して動作確認を行います。
この機器は、過去に修理歴があるようでしたので、念のためRFシグナルを点検したところ、僅かに狂いが認められました。調整は簡単ですが、これまでこの機器で録音したテープを再生したときにノイズが混じる可能性があります。オーナー様にその旨お伝えし、これまで不都合が無かったようですので、今回はこのまま進めます。
モード別、入出力別の録再状況を確認し、修理完了です。