最近、困っているのが、SONYのカセットデッキのうち、ESXやESRモデルなどのランプ問題です。
これはESRモデルのメカです。
化粧パネルの裏側には、黄色のプリズムが取り付けられていて、
そのプリズムの上部にはムギ球が光り、
プリズムの効果でカセットの窓を照らすほか、
リールのこの穴の奥にある光センサーにランプの光を届ける役目を担っています。リールが回転することにより、光がセンサーに当たったり遮断されたりが繰り返され、オートシャットオフの動作をコントロールします。
ところが、これら機種で最も多い故障は、
このプリズムの上面に埃が積もり、光センサーに届く光量が不足し、そのためリール回転が停止したとシステムが勘違いしてテープ走行が停止してしまうというものです。通常は、埃を除去することにより、ほとんどの不具合が解消されるのですが、中には例外が存在します。
ランプの劣化が原因なのかどうかはわかりませんが、完全な解消方法は、ランプを新品に交換することと考えられます。しかし、純正で使用されているのは5Vのランプです。これと同等のものは、現在ではほぼ入手不可能ですので、何らかの工夫が必要です。
もう一点、改善が必要なことがあります。それは、ランプのホルダーです。特殊な形状で、アイドラーギヤの上部のフックに取り付けられていますが、ランプの熱でほとんどのものが劣化して固くなっていて、取り外すときにボロボロになってしまいます。もちろん同じものは入手できませんので、代用品を探さなければなりません。
まずはランプの件に取り組みます。小型のLEDを2ケ、ムギ球のスペースに押し込みます。電圧は抵抗を直列に挿入して調整します。ムギ球に比べると相当な明るさで、直視できないほどです。
窓もかなり明るく光ります。しかし、テープが正常に走行できるか確認すると、波長の問題なのか、光の広がり方の問題なのか、センサーが反応せず、即オートシャットオフが働いてNGでした。LEDの数を増やすという手もありますが、スペースの問題のほか、考えてみれば、LEDも次第に光度が低下するという特性を有していますので、LED化は諦めてほかの手を考えることにします。
光源として使用するのは6V用のムギ球です。1ケでは光量が不足しますので2ケ使用します。
ホルダーの代用品を作成します。シリコンチューブをカットしたものを接着します。これでメカ本体のフックに取り付け可能になりました。
2ケを並列に接続してチューブに挿入し、一部を切り抜いてランプが露出するようにします。
こんな風に光ります。下は純正のランプですが、光量はそれに勝っています。
配線を取り付けます。
フックに取り付けます。
動作テストを行います。ようやく成功しました。
これでまだまだ延命できるようになりました。