SONY社製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-K333ESGの修理依頼をいただきました。
5年ほど前に整備済みとして購入された機器ということです。
トレイ開閉はOKですが、ヘッドが上がらないため再生不可です。今回は、当店の「リフレッシュメニュー(ピンチローラー交換あり)」のリクエストです。
ヘッドホン出力でガリが見られるということでしたので、SOURCE音源で確認しましたが、問題は見られませんでした。
カバーを開けました。
心配していたオーディオ基板の液漏れしやすいコンデンサーは交換済みでした。
分解を進めます。
ピンチローラーを交換します。
キャプスタンモーターユニットを切り離します。
モーターユニットを分解します。
ここで驚きの事実が・・・右側の電解コンデンサーがプラスマイナス逆に取り付けられていました。5年前に整備された時のミスでしょうが、これでも動作するのかと感心しました。
両方とも交換します。
フロントユニットを分解します。
左が元々のベルトです。少し伸びが見られました。
ベルトが掛かる部分を脱脂して新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
接点を研磨清掃します。今まで見てきた中で一番汚れていませんでした。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
メカを本体に組み込んで動作確認を行い、その後ヘッドの消磁を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内にあることを確認します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
CDPを接続して録音テストを行い、修理完了です。