先日に引き続き、AD-FF70の修理依頼をいただきました。
30年以上、ご実家で保管状態にあったということです。
前回のFF70ではトレイ開閉に難があり苦労しましたが、この機体は大丈夫です。
カバーを開けます。キャプスタンベルトが朽ち果てています。加水分解で一度溶けたゴムが乾燥してこびりついているという感じです。
メカ脱着に支障となる電源スイッチを取り外します。
メカを引き上げます。
カセットホルダーを取り外します。
左右リールを脱着してグリスアップします。
ヘッド周りを清掃します。
このアイドラーゴムを交換しなければなりません。ヘッドを取り外すのは厄介ですので、背面から取り出して交換します。
モータープレート、フライホイールを取り外します。
付着したゴムカスを除去し、フライホイール表面の凸凹が無くなるまで研磨します。
さらに分解を進めます。
アイドラーを取り出してゴムリングを交換します。
内部接点を磨きます。
新しいベルトを取り付けて組み立てます。
メカのメンテナンスが完了しました。
本体に組み込んで動作確認を行います。しかし、リールの回転がすぐに停止します。
テープを取り除いたカセットをセットし、早送り状態でしばらくの間、放置します。
不具合は解消されました。モーター内部の接点が接触不良気味だったようです。
調整を行おうとしてテストテープをセットした後、突然、反応が無くなりました。
焦りましたが、カセット検出スイッチの接触不良が原因でしたので、接点を磨きました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
コンピュブレインを作動させた後、録再バランス調整を行います。
録再テストを行い、修理完了です。