このところアイワ製デッキの修理が続いています。
今回は、私も若い頃に所有していた、AD-FF60です。内部からモーターが高速回転する音が聞こえますので、ベルトが切れていると考えられます。
再生は一瞬リールが動きますがテープ走行しません。早送り巻き戻しは可能ですが、アイドラーゴムがスリップする「キュー」という音が鳴り続けます。
カバーを開けました。上級機のAD-FF70と比べると、コンピュブレインの基板が無いためスッキリしていて整備性は良好です。
メカ脱着に支障となる電源スイッチを取り外します。
メカを取り出して、まずはカセットホルダーを取り外します。
左右リールを脱着してグリスアップします。
背面のモータープレートを取り外します。
加水分解で一度は溶けたキャプスタンベルトが、乾燥してこびりついています。
ヘラでそぎ落として、オレンジクリーナーで除去します。この時点では溶けたベルトの影響で表面がザラついています。
そのザラつきが無くなるまで研磨します。
リールモーターを取り外すと、
アイドラーユニットを取り外すことができますので、ゴムリングを交換します。
内部の接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立て、ヘッド周りをクリーニングします。
元通り組み立てて本体に戻し、動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。