先日、他の方の修理記事を読んでいて、良いものを見つけましたので、早速Amazonで購入しました。
似たような製品は色々あるようですが、私が購入したのは、「POLYCALM」という名前の導電性塗料(電気を通す塗料)です。「え、今まで知らなかった?」と言われそうですが、これまでその存在を知りませんでした。
では、どういうときに使うかというと、基板のプリントパターンやリモコンのボタンなど、接触に問題がある故障の修理に効果的ということですが、ここでは、私が日頃困っていたことの解消に使いたいと思います。
この写真を見て、AKAI(A&D)と答えた方、かなりの玄人です。これは、AKAIのGX-93やA&DのGX-Z9000に使われているRECVOLです。このVOLは、取り付け方などの物理的な原因による内部の絶縁が起こりやすいといった傾向があります。しかし、ご覧のとおり、シャフトが長い特殊品ですので、私が知る限り新品の代替品は現在では入手できませんので、これまで修理にかなり苦慮してきたところです。
故障の状況を確認します。このVOLは、50kΩの可変抵抗器ですが、端子間抵抗を測定すると、無限大、つまり断線しています。
この可変抵抗器は2連(左右CH)になっていますが、故障するのは決まって奥側(写真でいうと右側)です。おそらく取り付け方の影響で応力が掛かりやすいためです。
ツメ4か所で固定されていますので簡単に分解できます。
断線は、楊枝の先端部の金具の取り付け部分で発生します。片側は金属ですが、もう片側の黒色部分は非金属ですので、半田付けはできません。そのため、この故障が起きた場合は、ジャンク機からVOLごと移植するという方法をこれまでに行ってきました。しかし、今やそうそう簡単にジャンク機も入手できない時代となっていますので、今後の修理に関して懸念していたところでした。
そこで見つけたのが、POLYCALM(導電塗料)です。今回購入したのは、タッチアップ型で小さな刷毛で塗るタイプですが、他メーカーではペン型もあるようです。
断線している箇所に塗ります。2~3回重ね塗りすると良いということです。隣とくっついた場合は乾いてからその部分を削れば問題ありません。
見事に導通が回復しました。今まで知らなくて損しましたが、壊れたVOLを捨てないでいたことが幸運でした。以上です。