5年ほど前に当店のネットショップで販売したGX-Z9000です。
バランスの狂いのほか、音揺れやトルク不足など走行に問題を抱えているということです。
しかし、当店のテストでは音揺れは発生しませんでした。
ところが、同梱いただいたミュージックテープでは、かなりの音揺れです。これはメカのメンテナンス後に再確認します。
IPLSサーチではリールが重々しく回りますので調整が必要です。
カバーとフロンパネルを取り外し、メカを取り出します。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
ホルダー内蔵のスプリングにヘタリはありません。
ヘッド周りの動きも5年前にメンテナンスしていますので問題ありません。
リールとアイドラーを取り外します。
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが接する面を脱脂します。
ピンチローラーを交換します。
メカ背面のモーター基板を取り外します。
ベルトの接触する面のゴムカスを除去します。
モードベルトを交換します。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
音揺れが発生したテープで動作確認を行いましたが、メンテナンス前と何ら変わりなく酷い音揺れです。
試しに左側のピンチローラーを強制的に押し下げたところ、走行が停止してしまいました。
テープが原因の可能性があるため、私が所有するGX-93とXK-009でテストします。程度の違いはありますが、やはり音揺れが発生します。
以前も同様の経験をしましたが、古いミュージックテープでは、表面の変質によってサランラップのようにヘッドに張り付くようです。
調整に移ります。ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
左右のメーター誤差が無いことを確認します。
テストテープを再生し、バランス調整を行います。
録再バランス調整を行います。右写真は、バランスを終えたときの入力バランスVOLの位置です。経年劣化により、左右の入力バランスが狂っていることは珍しくありません。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録音テストを行います。IPLSの調整も行います。
以上修理完了です。