TOA社製ダブルカセットデッキ、FD-20を2台、修理依頼をいただきました。TEACのW-6000RのOEMということです。
まず、1台目です。「ギーという異音が発生することがある」「速度の狂い」「音質の問題」という不具合を抱えています。当店のテストでは、異音は発生しませんでしたが、デッキ1(向かって左側)の大きめのモーター音が気になります。速度は後ほど調整します。
音質の件ですが、ヘッドが汚れていましたのでクリーニングを行ったところ、大幅な改善が見られました。後ほどアジマス調整を行います。
カバーを開けて動作音の大きい側のメカを取り出しました。PIONEERやONKYOにも採用されているメカですが、比較的メンテナンスフリーという印象がありますが、
リール周りはすべてプラスチック製ですので、摩耗や変形等によって早送り時や巻き戻し時の動作音が大きくなります。
キャプスタンモーターを取り外し、シャフト部にグリスアップします。
静音化しました。ただし、デッキ1では早送り巻き戻しの動作音がやや気になりますが、部品入手ができませんので対処できません。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
指先の端子をショートさせると倍速になります。
調整します。倍速を調整するとノーマル速度も変化してしまいますので、これを3回ほど繰り返します。デッキ2(向かって右側)も同様です。なお、オートリバースデッキは、フォワード方向で速度調整を行いますが、この機器はリバース方向が1%強速度が遅くなっています。これはキャプスタンの摩耗によるものですので、調整はできません。
ヘッドアジマスの調整を行います。フォワード方向と
リバース方向の両方向で合わせます。デッキ2も同様です。
録再バランスの調整を行います。この機種は、録音時はOUTPUT端子から出力がありませんので、録音時のメーターと録音後のOUTPUT出力バランスを見比べながらの調整になります。
録音バランスは、ツマミが写真の位置が左右同レベルになります。パーツの劣化が原因です。
以上、1台目の修理は完了です。
2台目です。「ギーという異音が延々と鳴り続ける」「デッキ2が無音」「音の籠りや速度のズレ」という不具合を抱えています。
お話にあったようにデッキ1側から「ギー」という耳障りな音が鳴り続けます。これは使用に耐えません。
カバーを開けます。
右側面のデッキ2の基板ですが、コネクタが抜けかけています。以前分解を試みたのでしょうか?これが無音の原因と考えられます。
強く差し込んだところ、音が出ました。
デッキ1のメカを降ろしました。
ヘッド両側のテープガイドが折れています。両方とも奥側です。無理やりテープを取り出そうとすると、カセットと干渉してこのように破損することがあります。
こことここです。
極薄の樹脂製シートを切り抜き、接着剤で貼り付けて一晩待ちます。
異音を発しているモーターですが、1台目と同じようにシャフト部にグリスアップしましたが、改善は見られませんでしたので、
モーター交換を行います。2スピードタイプは中古であっても入手が困難で貴重なため、当初は通常のタイプと交換を考えていましたが、回転数が合わないため断念し、手持ちの2スピードタイプと交換します。
元通り組み立てて本体に戻し、異音が解消されたことを確認します。ただし、1台目と同様、デッキ1では早送り巻き戻し時にやや動作音が気になります。おそらくデッキ1のほうが使用頻度が高いために劣化も進行していると考えられます。
1台目と同様に調整を行い、リバース関係の動作確認を行います。ところが、デッキ2で再生を続けていると、常時ではありませんが、時々速度が不安定になります。状況から、キャプスタンモーターの不具合と思われます。その旨オーナー様にお知らせし、モーター交換を行うこととなりました。
デッキ2を脱着するためには、側面の基板を取り外し、フロントパネルも本体と切り離して傾けなければなりません。
デッキ2は、VOL基板と一体になっています。
カセットホルダーを取り外します。
キャプスタンモーターを手持ちのスペアと交換します。
モーター交換後の速度調整は必須です。
以上修理完了です。















































