SONY製オートリバースデッキ、TC-RX80の修理依頼をいただきました。
「再生中にテープが途中で止まる、勝手にリバースする。」といった不具合のほか、音の籠りも気になるということです。
動作確認しましたが、走行の不具合は確認できませんでしたので、お使いのテープに問題があった可能性があります。
ヘッド周りを目視点検します。ピンチローラーが劣化しているようです。
メカを降ろします。
背面から分解していきます。
ソレノイドの固着が無いことを確認します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
ピンチローラーを交換します。
元通り組み付けて動作確認を行います。しかし、2点ほど問題が見られました。
一点目は、稀にリバース動作に失敗することです。そのときは必ずリバース方向からフォワード方向に切り替わる時です。これはプラスチックパーツの摩耗や変形が原因と考えられるため対処は困難です。
もう一点は、再生を継続していると、ときどき速度がドロップすることです。感覚としては2~3%程度と思われますが、不定期に速度低下が起こり、そのまま放置しておくと、次第に元にもどるというものです。キャプスタンモーターの故障が原因と考えられますが、代替モーターとの交換は可能です。
これらをオーナー様にお伝えしたところ、モーター交換を行い、修理を継続することとなりました。
再度メカを降ろしてモーターを取り外します。
同規格の2400rpm/12Vのモーターです。
プーリーと配線を移植し、交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
キャプスタンモーターとベルトを交換しましたので、速度調整は必須です。
ヘッドアジマスが大幅に狂っていました。これが音の籠りの原因です。フォワード方向と、
リバース方向の両方向で調整します。なぜ往復方向ともこれほどの狂いがあったのかは謎です。
録再バランス調整を行います。
CDPを接続して録再状況を確認し、修理完了です。