AKAI製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-9の修理依頼をいただきました。
2年半ほど前に整備品として購入されたという機器です。
テープをセットして再生ボタンを押しても音が出ません。
停止操作も効かなくなりました。一旦電源を切ると元に戻ります。
カバーを開けてメカを取り出します。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。ホルダーに内蔵されているスプリングにヘタリはありません。
メカを観察します。交換されているのは、右側のピンチローラーのみです。
今回は、両方とも交換します。
ヘッド周りやリール周りを分解し、古いグリスを除去清掃し再グリスします。
バックテンション用のパッドは張り替えられています。
アイドラーゴムも未交換だったようです。
ゴムリングが接する面を清掃します。
背面の基板を取り外します。カムモータは交換済みです。
キャプスタンベルトもかなりの汚れです。
ベルトの当たり面がゴムカスでザラザラしていますので研磨清掃します。
モードベルトを交換します。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
仮接続して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
ヘッドアジマスがかなり狂っていました。
録再バランス調整を行います。これで修理完了と思いきや、思わぬ落とし穴が待っていました。
テストテープを用いて再生バランスは調整済みでしたが、
いつも聴いているテープを再生したところ、左右バランスにかなりの差異がありました。この状況は、ヘッドが前後に傾いているときに起こります。
目視ではわかりませんが、自然に傾くことはありませんので、おそらく以前お持ちだった方による人為的なものと思われます。ヘッドの前後の傾き調整は厄介ですので、決して触れてはいけない部分です。
少し時間を要しましたが、何とか許容範囲と思われる程度まで調整できました。もちろん、アジマスも含め、調整すべてやり直しです。
なお、RECバランスツマミは写真の位置が左右同レベルになります(調整はできません)ので、今後は触れない方が無難です。
また、OUTPUTVOLの中間位置に接触不良が見られましたが、特殊なタイプでしたので対処できませんでした。
紆余曲折がありましたが、録音テストを経て、修理完了です。









































