A&Dの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-Z9000です。
録音の際に右CHのレベル低下が起こるようです。しかも常時ではなく、時折起こるとのことです。
録音テストを行います。VOLやスイッチ類の接触不良が無いことを確認します。しかし不具合は再現されませんので、オーナー様に使用テープをお聞きしたところ、マクセルのURということでしたので、
UR120分テープを使用してテストを行うと、お話にあったように右CHのレベル低下が再現されました。
その時のテープの状態です。斜めに傷がついています。これはテープ走行が不安定な時に発生します。
ヘッド周りを確認すると、キャプスタンが磁性体で汚れていましたので清掃します。
これでひとまずは不具合が解消されましたが、動作がスムーズでないなど全体的に状態は良くないため、メンテナンスは必要です。
カバーを開けてメカを取り出します。
ホルダーと化粧パネルを取り外します。
カセットを押さえ付けるバネに変形はありません。
劣化しているピンチローラーを交換します。
ヘッド周りを分解し、写真のように固まりかけている古いグリスを除去清掃し、再グリスします。
左右リールをアイドラーを取り外します。硬化しているゴムリングを交換します。
背面のモーター基板を取り外します。
ベルトの当たり面が汚れていますので清掃します。
異音を発していたカムモーターと劣化していたベルトを交換します。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
今回の修理とは無関係ですが、ヘッドホンVOLの交換歴があるようです。この機種には、シャフトが長い特殊品が用いられていますので、通常の短いタイプにシャフトを継ぎ足したものが使用されています。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内にあることを確認します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。

































