ナカミチの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、DR-10の修理依頼をいただきました。
つい先日、不動品を入手されたということです。
キャプスタンが回転しないため再生不可です。モーターの故障、またはベルト劣化が原因と考えられます。
カバーを開けて点検を進めます。キャプスタンモーターは回転していますので、ベルトスリップが起きていることが不具合の原因です。
メカを降ろします。
化粧パネルを取り外します。バックテンションベルトが無くなっています。このままでは走行が不安定になり、テープを痛めることがあります。
無くなったベルトはリールに巻き付いていました。加水分解で溶けて付着していますので、オレンジクリーナーで綺麗に洗浄します。
反対側のリールも脱着し、グリスアップします。
バックテンションベルトを取り付けます。
ホルダー開閉を検知するスイッチ接点を磨きます。
モータープレートを取り外します。
このベルトも加水分解が進行し、伸びています。
新しいベルトを掛けて組み付けます。
ヘッド周りを清掃します。
本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
ここで新たな問題が発覚しました。テストテープをセットして再生バランス調整を行おうとしたところ、本来は直線であるべき波形が乱れます。正弦波が何らかの理由により阻害されていると考えられます。
回路図を見ながら信号を追っていくと、OUTPUT端子の直前で異状が発生していることがわかりました。そこには、ミュート回路が割り込んでいます。
怪しいのは、ミュート回路のトランジスタ(写真中央)です。
2SC2787というタイプのトランジスタ2ケを交換したところ、無事復旧しました。ここに至るまで2時間ほど要しました。
再生ヘッドと録音ヘッドのアジマスの調整を行います。
テープポジション別の録再バランス調整を行います。
複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。





























