A&Dの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-Z9100EXの修理依頼をいただきました。
動作切り替え時に「カラカラ・・・」という音が鳴るということです。
イジェクトボタンを押します。トレイが閉まった後、カムモーターの動作が収まらず「カタカタ・・・」という音が鳴り続けます。ただし、常時ということではなく、数回に一度程度です。
カバーを開けます。指差していいるのが、カムモーターの調整用半固定抵抗です。まずは、サービスマニュアルに従い、点検調整を行います。
電源を切った状態で、カムモーターの配線を切り離し、カムモーターのプーリーを反時計回り一杯回します。トレイが開いてこれ以上回せないとことまで回します。
テスターを所定の位置に接続します。マイナスは本体に接続します。
電源を入れて、右側の半固定抵抗を回し、電圧が1.145Vになるよう調整します。
電源を切って、今度はカムモーターのプーリーを時計回り一杯回します。
電源を入れて、左側の半固定抵抗を回し、9.19Vになるよう調整します。
モーターの配線を元通り接続し、調整完了ということになりますが、通常はこれで終わりません。なぜなら、各部の経年劣化に対する手動による補正を行わなければならないからです。
先ほどの半固定抵抗を回してカタカタ音が鳴らないよう微調整します。
メカのメンテナンスを行います。ホルダーと化粧パネルを取り外します。
ホルダーを分解します。
両サイドに装備されている樹脂製スプリングが変形していますので、脱着して加熱整形します。
劣化しているピンチローラーを交換します。
ヘッド周りの可動パーツに塗られたグリスが固まりかけていますので、
分解して古いグリスを除去清掃し、再グリスします。
リール周りを分解し、ゴムリング交換や清掃を行います。
キャプスタンモーター基板を取り外します。
フライホイールに付着したゴムカスを除去します。
モードベルトを交換します。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内にあることを確認します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
ここで新たな問題が発覚しました。キャリブレーション時に「LEVEL」ツマミを回すと、
左CHよりも右CHの変化量が大きいため、バランスが狂ってしまいます。VOLの点検を行いましたが正常でしたので、回路構成パーツの劣化が原因と思われます。
さらには、レベル調整後に「SORCE」から「TAPE」に切り替えると左CHが2目盛りほど大きく振れてしまいます。これも回路の問題と思われますが、いずれも修理は困難なため、録音の際には左右バランスは固定状態とするようオーナー様にご連絡し、
録音状況を確認し、修理完了です。


















































