ビクター製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TD-V721です。
不具合は大きく3点です。①再生するとテープが引き出されてしまう。②早送りボタン押したのに巻き戻しになったり、その逆もあり。その際カラカラと音がする。③高音が伸びず、全体にこもった音
以上順番に確認していきます。
まずは再生です。手持ちのテープでは、走行状態に特に問題は見られません。
ヘッドアジマスを調整します。やや狂いがありましたが、音質に影響するほどのものではありません。
ヘッド周りを点検します。ヘッドもそうですが、特に左側のキャプスタンの汚れが気になりますので、アルコール清掃します。
グラフはビフォーアフターです。縦線4本は異なる周波数を表します。右2本は10000Hzと12500Hzですが、クリーニング後(右写真)は高域が伸びています。考えられるのは、左側キャプスタンに付着した汚れで走行が不安定になり、ヘッドタッチが悪くなって音が籠ったということです。
まずは操作ボタンの誤作動の修理を行います。スイッチ基板を取り外します。
スイッチを取り外してON時の抵抗値を測定します。本来0(ゼロ)であるべきところ、接触不良により33Ω程の抵抗値です。そのため、マイコンが誤認識してしまったようです。
使用頻度の高いスイッチ7ケを交換しました。
メカの整備に移ります。この機種で最も問題になるのは、右側リールの抜け出しによるトラブルです。分解して接着固定します。
この機種のモーターのピニオンギヤは、材質の異なる2種類が存在します。色の濃いタイプは破損しやすいタイプですが、この機体は破損しにくいタイプが使用されていましたので問題ありません。
ヘッド周りを清掃します。
モーター基板を取り外し、ベルトを交換します。
基板面の電解コンデンサーを交換します。
元に戻して動作確認を行います。
同梱いただいたトラブルの起きやすいミュージックテープを再生します。
最後まで再生できましたが、リーダーテープが引き出されていました。少し巻き戻してもう一度再生を行うと、最後の最後で右側のリールがカクカク動きます。
テープの表面を確認すると、何かの汚れが付着していました。これが原因でヘッドに貼り付いたようです。古いテープやミュージックテープはこういったトラブルが起こりやすいので注意が必要です。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内にあることを確認します。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。




























