2か月ほど前に当店で整備したV-8030Sですが、故障したとのご連絡をいただきました。
再生中に、突然「ガタ!」と音を発して走行停止したということです。その後は、PLAYボタンを押すと、同時に録音ボタンも点滅し、テープは走行不可状態で、ヘッド回りのユニットが音を立てて下がり、何の操作もしないまま「PLAYボタン」「RECボタン」の両方が点滅しながら、スタンバイモードを繰り返し続け、テープの取り出しもできない状態になるとのことです。何回か繰り返すと点滅が止まって正常に復帰し「トレイ」も開くことができるようになるという、誤作動のONパレード状態のようです。
動作確認を行います。最初は、再生ボタンを押すと動作開始しますが、一瞬ディスプレイが消え、ヘッドが下がりました。しかし、もう一度ボタンを押すと再生は可能になりましたが、何度か繰り返しているうちに、ディスプレイが点灯しなくなったり、まったく無反応になったりと、不規則に誤作動が発生しました。
ここでのポイントは、再生ボタンを押して動作が始まる時にディスプレイが一瞬消えるということです。つまり、動作が開始することによって電圧が低下しているということが考えられます。
カバーを開けて電源部を点検しましたが、特に問題は見られませんでした。次に考えられるのは、ショート(短絡)です。
メカを降ろします。再生ボタンを押した時に動き出すのは、このコントロールモーターです。これまでこの形式のモーターで故障事例はありませんが、ここが故障(内部接点の異状)していると仮定した場合、誤作動が発生することに納得が行きます。
OH済みの代替モーターと交換します。
無事復旧しました。おそらくモーター内部接点のトラブルでショート状態になっていたと思われます。
ところが、動作は正常になりましたが、新たな問題があることがわかりました。タイマースイッチはOFFですが、電源をONにすると録音状態になってしまいます。
タイマースイッチを「PLAY]に切り替えると、録音状態にはなりませんが、今度はイジェクトや再生ができなくなってしまいます。これら症状から、コントロール系の故障が濃厚ですが、残念ながらこれ以上の対応は困難です。ただし、録音済みのテープはツメを折っておくことで不具合を回避できますので、その旨オーナー様にお伝えし、修理完了となりました。
今回は、モーターの故障で誤作動が発生するとは意外な結末でしたが、これから同じような故障が増えると思われますので、良い経験でした。













