A&DのGX-Z5000の修理依頼をいただいました。
出力音が歪むということです。バイアス回路のトラブルで録音音質が歪むことはありますが、録音スタンバイ状態でも同様ということですので、OUTPUT-AMPの問題でしょうか?
ところが、なぜか操作を全く受け付けません。
カバーを開けます。以前修理された際の記録でしょうか?
カムモーターのプーリーを少し回してやると動作しました。たまたま接触不良状態になっていたようです。
手持ちのミュージックテープを再生しましたが、特に問題は無いようです。
念のため測定を行います。315Hzの正弦波を入力して録音します。
RECVOLをMAXにして録音すると再生波形が歪みます。これは当たり前のことです。
レベルを0db程度に落として録音します。
再生波形も変わりません。100Hz~12500Hzの範囲でランダムにテストしましたが同様でしたので、問題無いと判断できます。今回のような状況については、ご依頼者と当店での使用環境が異なるため、なぜ歪んで聞こえたのかという理由はわかりません。
以上をご依頼者にお伝えし、今回はメンテナンスを実施するということになりました。
ホルダーと化粧パネルを取り外します。
ホルダー内蔵の樹脂製スプリングに変形はありません。
こういったグリスが固まって動作不良を起こすことがありますので、
分解して古いグリスを拭き取って、揮発性の低いシリコングリスを処置します。
ピンチローラーを交換します。
リール周りを分解し、ゴムリング交換、必要な箇所の清掃等を行います。
背面の基板を取り外します。
接触不良が起きたモーターを交換します。ゴムベルトも併せて交換です。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
VOL基板を取り出して、接点復活剤を処置します。
本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
ヘッドアジマスと録再バランスの調整を行います。
録音再生状況を確認し、修理完了です。


































