これまで2度ほど当店をご利用になった方から、AIWA製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、AD-FF90の修理依頼をいただきました。
8年ほど前に修理されたということですが、現在は動作不良状態です。
カバーを開けてメカを取り出します。
キャプスタンベルトが脱線しています。
カセットホルダーを取り外します。
左右リールを脱着してグリスアップします。中央に見えるのはアイドラーですが、このゴムリングを交換しなければなりません。
背面のモータープレートを取り外します。少し厚さのあるベルトが取り付けられていましたが、サイズがフィットしていなかったようです。
分解を進めます。
アイドラーが現れますので、取り出してゴムリングを交換します。
内部スイッチの接点を磨きます。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
本体に組み込んで動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
COMPUBRAIN動作後の録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認します。
余談ですが、この機種には、ドルビーの自動設定を行う「AUTOMATIC」というスイッチがあります。手持ちのテープを再生すると、インジケータの点滅が延々と続くだけでしたので、「故障?」と思いましたが、この機器で録音したテープのみ、この機能が働くということです。録音の際に判別に必要な特殊な信号を記録するようです。
ここで新たな問題が発生しました。翌日、発送前の最終点検を行ったところ、再生時に左CHのレベルが低く、少し歪んだような音質になっていました。一旦電源をOFF-ONすると、正常に戻りましたので、接触不良の可能性があります。早速カバーを開けて、コネクタ類を点検しましたが、特に問題は見られませんでしたが、音の歪んだ感じは、これまで、リレーの接触不良が原因だったということを何度か経験していましたので、
回路図を点検すると、再生ヘッドの配線に、ADMSという回路をリレーで接続するシステムになっています。ADMSというのは、自動消磁システムです。電源を入れた直後の1秒間ほど、ヘッドの配線をリレーでADMSに切り替えるようになっています。
メイン基板を確認します。中央の大きめの金属製のBOXがリレーですが、これまで見たことのない形式です。接触不良は分解して接点を磨くことが最善ですが、分解することのリスクを考えると、それは難しいと判断しました。
そこで今回は、不具合の発生頻度が少ないこと、及び一度電源を切り入りすることにより、その後は正常に動作する状況であるため、分解修理は行わず現状のままとする旨オーナー様に報告しました。
なお、リレーの表面の「✖」マークは、以前修理された方によるものと思われますが、やはり何やら訳ありのようです。
以上修理完了です。


























