SONYのDATデッキ、DTC-790です。
数年前に巻き戻しができなくなり、しばらくの間、放置していたということです。
テープをセットすると、ローディングの音が聞こえますが、最後に聞こえるはずのソレノイドの「カチッ」という音が鳴らず、CAUTIONとなってしまいます。
カバーを開けます。中身はほとんどDTC-ZE700と同じです。ヘッドクリーナーもヘッドを痛めないプレートタイプになっています。
早速メカを降ろします。
SONYのDATデッキでは、DTC-55ES以降のトレイユニットは大きく2種類に分けられます。このDTC-790と同じく背の低いタイプは、パーツ同士の擦れる箇所の摩擦によりトレイ開閉に不具合が起こりますので、予防措置としてシリコングリスを施します。
メカの分解を進めます。最初に基板を取り外します。
続いてリールユニットを取り外します。
可動式テープガイドを駆動する白黒ギヤを固定している樹脂製留め具が割れています。白い側は既に紛失しています。
スチール製のEリングに置換します。
キャプスタンモーター、先ほどの白黒ギヤを駆動する白いプレートを取り外します。
摩擦を低減するため、可動部を分解し、グリスアップします。
リールユニットです。このギヤのシャフト部に塗られたグリスが乾いて動作不良の原因となりますので、分解清掃、再グリスを行います。
リールも回転が重くなっています。
ここもグリスが固まっていますので、清掃・再グリスを行います。
メカを組み立てて本体に組み付けます。動作良好です。
ヘッドホンVOLの接触不良により音量調整ができません。内部からVOL背面の隙間に接点復活剤を注入します。
モード別・入出力別の録音再生状態を点検し、修理完了です。