今日はA&Dのカセットデッキ、GX-Z9100EXの修理を行いました。メカはいつも通りベルトの交換やグリスアップなどひととおり終え、試運転を行いました。
電源を入れたところディスプレイが点灯しません。キャプスタンモーターは回転しているので、コントロール基板には電源は来ています。
フラットケーブルや基板に触れると点灯しますので、どこかで接触不良が起きているようです。そこで、フラットケーブルやコネクタの再半田を行いましたが一向に症状は改善されません。
一時間ほど悩みましたが、ここが原因でした。トランジスタの半田クラックです。放熱板で固定されているので、「ここは無いだろう」と思ったのが間違いでした。ようやく復旧を終えましたが、最終点検でまたも不具合が見つかりました。
今度はヘッドホン出力です。音が小さく、しかも歪んだ音です。ヘッドホンアンプはLINE OUTの手前から分岐してIC1個で増幅していますので、回路は単純です。てっきりICの故障と思い、交換しましたが治りません。
ICに来ている電圧をチェックすると、少し低い値が示されました。ここの電圧は電源部から直接受電していますので、電源の故障が疑われます。
ケーブルを外して電圧を測定すると、本来8.5VのところゼロVです。電源部の故障確定です。といってもここも回路は単純です。ヒューズ抵抗の破断かと思いましたが、問題はありません。
トランジスタ回りの電圧も正常なのにコネクタに電圧が来ないということは・・・
見つけました。ここもトランジスタの半田クラックです。あまり背の高くないパーツの半田クラックは珍しいです。
これでやっと修理完了です。この2か所のために半日を費やしました。