カセットデッキは「メカ」と「電気回路」を組み合わせた電気製品なのは言うまでもありませんが、ほとんどの機種において、そのいずれも「調整」することが可能なように作られています。
なぜかというと、経年変化や振動等により、製造時と比べて物理的な歪みやズレ、電気的性質が次第に異なってくるため、それを補正するためにそういった調整機能が備わっているのです。
ところが、十分な機材や情報が無い状況でそれをやろうとして、致命的な結果をもたらすことがあります。
例えば、ヘッドについては、調整ネジにより上下や前後、傾きなど立体的に動かすことが可能ですが、一旦元の位置から変更してしまうと、元に戻すことは非常に困難となります。特に、調整箇所は、機種により異なりますので、サービスマニュアルが無い状態で闇雲に調整することはおやめください。
また、基板上のツマミについても同様です。再生レベルやテープ速度程度のものであれば、簡単に調整できますが、バイアス関連は、計測器が無いと調整できません。
「試しに」と思って興味本位で調整箇所に触れた結果、ご自分では元に戻すことができなくなり、結果として高額の調整費用を請求されることになりますので決して回さないでください。