ここ数年、オーディオブームが最高潮であった1970年代から2000年頃までに発売された機器の高騰が続いています。
例を挙げると、GX-Z9000のジャンク機のオークションでの落札額は、5年ほど前では5000円程度であったものが、現在では20000円を下回ることはほとんどありません。その傾向は、特に高級機において顕著で、SONYのTC-KA7ESやAIWAのXK-S9000、Nakamichiなどの高級機では、ジャンクにも関わらず新品時と同程度の価格、場合によってはそれ以上の価格で取り引きされているものも見受けられます。
その理由としては、アナログオーディオ人気の再燃ということもありますが、全体的なタマ数の減少や、中国などの海外の富裕層への流出ということが挙げられるかと思います。
一方で、こういった中古市場の高騰の影響で、当店での修理費用についても大きな影響を受けるケースが最近増えつつあります。
具体的には、修理に部品交換が必要となったものの、部品単体での入手が不可なため、同機種のジャンク機から移植するしか方法が無いといったケースです。
以前は、ジャンク機は安価で入手できましたので、それほど修理費に影響はありませんでしたが、前述のとおり、現在では結構な額となってしまいます。当店では、そういった場合は、できる限り追加の工賃を低額に抑えるなどによりお客様のご負担を減らすような配慮はしていますが、元々の見積額が20000円であったものが、いざ修理が始まってみるとジャンク機入手のための費用がプラスされて倍増の40000円となってしまっては、お客さまもあまり気持ちよくは思わないでしょう。
中古機器の高騰は、今後も当面続くと思われますので、無い知恵を絞って、パーツ流用の調査研究など、できる限り修理費用を安価に抑えるような工夫をしていかなければならないと思う今日この頃です。