今日はSONY社製DATデッキ、DTC-ZA5ESのメンテナンスです。

このデッキは、1995年に発売され、信頼と実績のある4DDメカを搭載した当時130,000円の高級機で、これまでの重厚なデザインとは一線を画す現代的なデザインが人気のモデルで現在も比較的高値で取引されています。
お預かりした機器の不具合は、「トレイが勝手に閉まる」「ヘッドフォンVOLにガリがある」というもので、修理に併せメカのOHも行います。

センターメカでデジタルとアナログの基盤が左右に振り分けられています。レイアウトは異なりますが、基本的にはDTC-A8と同じ設計となっています。

メカを取り出しました。黒い樹脂パーツにホコリが積もって白っぽくなっています。ここの可動部の滑りが悪くなってトレイ開閉に不具合が発生します。

ホコリの除去と可動部のグリスアップするため、ウエスで養生します。

綺麗になりました。また。トレイの動きもスムーズになりました。

トレイ用ベルトの状態は良好です。


メカをひっくり返して基盤を外します。構成部品の点検を行います。


2DDのリールメカです。ブレーキの効きは良好です。ソレノイドが動作した時にリールがスムーズに回転するかチェックしますが、少しざらつきがありましたので、回転部にグリスアップします。小さなベアリングがついていますので慎重に行います。


キャプスタンモーターは滑らかに回転します。モードベルトは硬化が進み変形していますので交換です。

リングギヤは固着寸前でした。固化したグリスを除去&グリスアップします。ギヤやプーリーの軸受け部もグリスアップすると動作音が静かになります。

元通りに組み立てて、動作チェックを行います。トレイの開閉は快調です。


内部電池は消耗していましたので新品に交換します。本来3Vのところ1.68Vしかありません。

オシロスコープでRF信号の点検を行います。まったく問題はありません。

録再のチェックです。ヘッドフォンVOL以外にもマスターVOLにガリがありましたので、接点復活剤で修正します。
以上メカOH,トレイ開閉修正等完了です。動作音質良好です。
今回はリングギアが固着寸前でしたので、OHのタイミングとしてはベストでした。今回のメンテナンスで当分の間、快適に動作するでしょう。費用はトータル15,000円です。