近郊の札幌の方からカセットデッキ2台の修理依頼をいただきました。1台目はタイトルのPIONEER T-858、そして2台目はNakamichi582です。
ナカミチは完全不動品ということで、修理に時間が掛かりますので後日記事をアップしたいと思います。
再生は可能ですが、早送りや巻き戻しでは、リールのトルクが弱く、途中で停止するということです。
モーターは回転していますが、リールの回転がゆっくりです。アイドラーのスリップが起きています。
この機種のリッドは、フロントパネルとつながっていますので、メカの取り外し時は要注意です。
カバーを開けます。CT-A9などと同じメカが採用されています。
フロントパネルの化粧パネルを取り外すとメカが現れますので、正面4隅、底面2か所のビスを緩めます。
ヘッドのコネクタと、メカ背面のこのフラットケーブルを切り離します。
メカを引き上げます。
ハウジング内のバックプレートを取り外すと、リール周りにアクセスできます。
左右リールを取り外し、リールのブレーキ関連のパーツの位置を横にずらすとアイドラーが露出します。
アイドラー単体で取り外しました。
ゴムはかなり硬化しています。16mm*11mm*2mmの代替品と交換します。
元通りに組み立てて、
メカを本体に戻す前に、リールモーターに直接電圧を加え、リールが回転することを確認します。
メカを本体に戻します。トルクが強くなり、勝手に止まることはありません。
315Hzの信号が録音されたテープを再生し、速度を点検します。わずかに速い状態ですので、キャプスタンモーターの調整孔にドライバーを差し込んで、
調整しました。
録音状態を点検します。バイアスはオート調整です。
音質も良好です。
完成しました。