以前DATデッキでお取引いただいたお客様から、今度は別のデッキの修理依頼をいただきました。
デッキと言ってもテープデッキではありません。録音可能なCD-Rデッキです。
電源をONにすると「CLOSE」表示で待機状態になります。
そこで一旦トレイをOPENにし、再度CLOSEにすると、勝手にトレイが飛び出してきます。
実際にCDをセットしても同じですが、何か引っかかりがあります。どうやら上からCDを押さえる円形の金属製プレートに擦れているようです。
メカを取り出して、先ほどのプレート部を覗き込むと、何かが貼り付いているのが分かりました。
針金を使って取り出しました。大きさは写真のとおり綿棒の先よりも小さなものですが、磁石です。果たしてどこから来たのでしょうか?
本格的に分解を進め、ようやく核心にたどり着きました。CDを載せる円形の土台の中心部に磁石が取り付けられていますが、バラバラに割れています。
この磁石は、先ほどの金属製プレートとともに、CDをちょうどサンドイッチのように挟み込むためのものです。これが経年劣化により破損し、金属製プレートに張り付いて動作の支障となったという訳です。
磁石を取り出しましたが、劣化のせいか粉々になりました。ご存じのとおり、割れた磁石はくっつきません。そこで、元の位置に弾力性のある接着剤を流し込み、破片のうち半分程度を敷き詰めることにしました。
ついでにローディングベルトを交換します。
接着剤が乾くまでひと晩放置しました。メカを仮接続しCDをセットすると、無事ローディングされ再生が始まりました。
最後にオーナー様のリクエスト通り、DATとの光接続による録音状態を確認し修理完了です。