最近初登場のデッキ修理が続いています。今回はTASCAM112です。
しばらくぶりに作動させたところ、再生時にカリカリと異音が鳴り再生不可となったということです。
テープをセットすると最初は内部で異音がしましたが、そのうちモーター音のみとなりました。もちろんテープ走行はしません。
カバーを開けました。溶けたベルトがモータープーリーに巻き付いています。最初に異音が聞こえたのは、切れたベルトが回転し周囲に当たる音だったようです。
メカは底部4上部2本のビスで固定されています。
ベルトは溶けていますが、幸いにも初期の状態で周囲を汚損させていませんでした。
基板とサイドのパネルを取り外し、キャプスタンモーターを土台ごと取り外します。
新しいベルトを掛けます。折長105mmです。
ピンチローラーを脱着してメンテナンスを行います。弾力は十分にありますので、専用クリーナーで清掃し再利用します。
メカを本体に戻して動作テストを行います。良好です。
調整に移ります。315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。
ピッチコントロールのツマミの裏側に調整箇所がありますので、315Hzを中心に針が動くように合わせます。
ピッチコントロールをONにしました。同じ315Hzのテープを再生したときの調整幅は270-365Hzです。
ヘッドアジマスです。
この機種はボックスタイプの工具を使用します。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音します。録音したものを再生し、同じ波形になるよう調整します。
CDを録音し聴感テストを行います。
完成しました。