PIONEERの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、CT-770の修理依頼をいただきました。
動作しなくなってから15年以上経っているということです。
電源を入れると「キューー」という音が聞こえますが、左右リールのブレーキ用のゴムがスリップしている音です。後ほど処置します。
電動で開くリッドは動作しますが、キャプスタンが回転していません。
カバーとフロントパネルを取り外して、
メカを取り出します。キャプスタンベルトは溶け切れています。
分解を進めます。基板を取り外し、
モーター、ポテンショメーターを取り外し、
プレートを取り外し、ようやくフライホイールに到達しました。
モータープーリーにも溶けたベルトがこびりついていますので、清掃します。
フライホイールを清掃し、新しいベルトを掛けます。径73mmと65mmです。
フロント周りをメンテナンスします。
ピンチローラーアームを脱着して、
表面を軽く研磨清掃し再利用します。
アイドラーゴムを交換します。
スリップしていたブレーキ用のゴムをシリコンゴムチューブで代用します。
リールの真下がブレーキです。
カウンターベルトも交換します。
動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープパスの点検を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
AUTOBLEを作動させ、
バランス調整を行います。
聴感での録再状況を確認します。
クスミが見られるボタンやアツマミ類を研磨します。
完成しました。