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TC-K555ESⅡ

SONY TC-K555ESⅡ

投稿日:2024年5月4日 更新日:

SONY製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-K555ESⅡの修理依頼をいただきました。

キャプスタンが回転しません。地元の電器店で「コントロールIC故障で修理不可」と診断されたということで、当店の出番となりました。

トレイがかなり勢いよく開く「ロケットオープン」状態です。このまま使用を続けると、バネを支える箇所が破損します。

カバーを開けました。右写真中央の黒ずんだパーツは、キャプスタンモーターを調整する際にサービスモードに切り替えるスイッチです。

スイッチにバイパス線を設けます。

キャプスタンが回転し、再生可能になりました。ICの故障ではありませんでしたが、専門店以外では、こういった診断は難しいと思います。

原因がわかりましたので、パーツを交換します。

メカを降ろしてホルダーと化粧パネルを取り外します。

化粧パネル裏側のプリズムを磨きます。ランプの光源を回転センサーに導く役割もありますので、ここが曇るとオートストップが働いてしまいます。

ロケットオープンの原因となった、劣化したダンパーゴムを交換します。

劣化したピンチローラーを交換します。

リールを分解します。ここに塗られたグリスが固まって回転が重くなりますので、除去し、再グリスします。

背面のモーター基板とフライホイールを取り外します。

ヘッドを持ち上げるレバーの支点部に注油します。

レバーがスムーズに動くことを確認します。

新しいベルトを掛けて組み立てます。

ロケットオープンが解消されたことを確認します。

本体に戻して動作確認を行います。

ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。

再生ヘッドのアジマス調整を行います。

録音ヘッドのアジマス調整を行います。

録再バランス調整を行います。

テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。

 

 

-TC-K555ESⅡ
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