少し前に、当店でナカミチのデッキを修理されたからの新たなご依頼です。
KENWOOD製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、KX-1100Gです。
テープ走行するものの、音が出ないという状況です。この機種では今まで何度か同じ経験をしています。
これまでの経験から、基板上の電解コンデンサー、C93、C95、C96、C107などの「100μF/10V」と、C97、C98などの「470μF/10V」がショートモードで故障したのが原因と思われます。
この機種は底板が取り外せませんので、メカを取り外して基板を裏返し、該当コンデンサーを交換します。
交換を行いました。・・・が、音は出ません。念のため、故障の可能性のあるトランジスターQ29とQ30を交換し、周辺のコンデンサーを点検します。
すると、C114(100μF/16V)がショートモードで故障していましたので、同規格のもの計4ケを交換しました。
これでようやく音が出ましたが、右チャンネルはダメです。ただし、SOURCEに切り替えると左右とも音は出ます。
サイン波の記録されたテープを再生し、オシロで信号を追います。すると、再生ヘッド直後のPB-AMP出力で信号が途絶えました。
C38(220μF/10V)の故障でしたので交換します。
左右CHとも音は出ました。しかし、スピーカーからの音量は正常ですが、メーターの右CHのレベルがかなり低くなります。
メーター基板上のC2(10μF/35V)とC8(33μF/16V)が故障していました。ついでに基板上のすべての電解コンデンサーを交換しました。
ようやく正常になりました。故障していた電解コンデンサーはすべて同一のメーカーのものです。これだけ多くの種類のものが故障していたということを考えると、電源部のほか、ドルビーやキャリブレーションなど他の機能のことが不安ですので、オーナー様とご相談し、全交換することとなりました。
ドルビー基板(2枚)、
ディスプレイ基板、
VOL基板、
再生アンプ、録音アンプ、
その他もろもろ・・・
100ケ近くありました。
一旦メカを接続して録音再生・ドルビーONOFF・キャリブレーション動作などに問題がないことを確認します。
メカを再度降ろします。
バックテンションベルトが加水分解し溶け切れていました。後ほど処置します。
左右リールとアイドラーを取り外します。
コントロールモーターユニットを取り外します。
酸化して黒くなった接点を磨きます。
モーター内部接点のリフレッシュのため、直接電圧を印加し、数時間ほど空転させます。
新しいベルトを掛けます。
キャプスタンベルトを交換します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
メカを元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を合わせます。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランスの点検を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再テストを行い、修理完了です。

























































