Victor製オートリバースカセットデッキ、DD-VR77の修理依頼をいただきました。
かなり長い間、物置に保管されていたということです。
カセットをセットしたところ、テープを巻き込んでしまったということです。ゆっくりと引き上げると、運よくスルスルとテープを取り出すことができました。
動作確認を行います。ボタンに反応はありますが、リールが回転しません。
カバーと底板を取り外し、メカを固定している計5本のビスを緩めます。
同じ形状のコネクタが複数使用されていますので、予めマーキングしておきます。間違えると即死ということもありえます。
メカを降ろしました。
硬化したアイドラーゴムを交換します。
上から見たところです。リールベルトがダブル掛けになっていますが、スリップ気味です。
ベルト交換に支障となるパーツを分解します。
ピンセット等を用いて隙間からベルトを交換します。径21mm*1mmです。
ピンチローラーとヘッドを清掃します。
一旦メカを組み付けて動作確認を行います。テープ走行は可能になりました。
テープポジション表示に不具合が見られます。「NORMAL」と「METAL」が両方点灯しています。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
治りました。
RECVOLのガリ解消のため、接点復活剤を処置します。
現状、動作に問題はありませんが、キャプスタンベルトを交換します。ビクター製のデッキのキャプスタンベルトは、劣化すると表面がスベスベになってスリップします。径73-75mmです。
STOPボタンを押すと早送りになることがあります。接触不良が原因です。強めに何度が押すことによりかなり改善されましたが、80%というところです。
フロントパネルを少し引き出して、スイッチに接点復活剤を処置します。これでほぼ100%解消されました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を合わせます。
ヘッドアジマス(往復)の調整を行います。
録再バランス調整を行います。
録音やリバース動作などの状況を確認し、修理完了です。