ナカミチのZX-9です。
これまで修理歴は無いということです。
操作ボタンに反応はありますが、動作しません。
カバーを開けました。キャプスタンベルトが溶けています。
メカ背面のDDモーター基板を取り外します。
底板を取り外し、
フライホイールの押さえプレートを取り外します。溶けたベルトを綺麗に清掃し、新しいベルトを掛けます。径73mmです。
カムモーターのベルトも交換します。
これで動作するようになりましたが、なぜか、すぐにキャプスタンモーターが回転しなくなりました。
DDモーター基板の故障が疑われますので、私が所有するZX-9の基板と交換したところ、正常に動作しました。基板の故障確定です。
壊れやすいパーツを順番に点検していきます。トランジスタは正常でしたので、続いてICを交換しました。
モーターが正常に回転するようになりました。比較的短時間で不具合個所の特定ができたので、「今日はついているな・・・」と思ったのも束の間、次第に回転が遅くなり、遂には停止してしまいました。これはピンチですが、基板構成パーツを順番に点検していくしかありません。
先ほどの写真ですが、左下にオレンジ色のパーツがあるのがわかると思います。速度調整回路になりますが、それを見て、「アッ・・」と思いました。ナカミチのオーディオ回路に多用されているPPコンデンサーです。このコンデンサーは、「オレンジ・キャップ」と呼ばれ、非常に故障しやすいことで有名です。まさかこんなところにも使用されているとは思いもしませんでした。
私のZX-9の基板は、というと、他の物が使用されていました(右写真中央)。
無事、正常な状態に戻りました。が、再生を続けていると、時折「ブツブツッ」というノイズが混じります。これもおそらくオレンジキャップの仕業です。
底面の基板を開いたところです。
ドルビー回路、録音・再生回路に多くのオレンジキャップが使用されています。
交換に際しては、支障となる基板なども脱着しなければなりません。
結局40ケ近くありました。
ノイズは無事解消されました。それよりも驚いたのは、音質が非常にクリアになったことです。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を合わせます。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドアジマス調整用のインジケーターが、赤に点灯しているときのアジマスを点検します。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。