ナカミチのCR-70の修理依頼をいただきました。
これまで当店でアイドラーギヤやリールモーター交換などを行ってきた機体です。今回は、「オレンジキャップ交換」「オートキャリブレーション不調」「照明ランプLED化」ということでのご依頼です。
オートキャリブレーションのボタンを押すと、
「アジマス」「レベル」「バイアス」と順番に自動調整します。最初のテストでは正常に作動しましたが、何かのきっかけでエラーが発生します。オーナー様のお話では、「オートキャリブレーションは、最初にテープが少し巻き戻しされるが、停止するときに左側のリールのテープがたるむのが原因ではないか」とのことでした。
カバーを開けます。まずはオレンジキャップ交換です。
ロジック基板、ドルビー基板、メイン基板に30~40ケあります。
交換しました。
念のため動作確認します。
オートキャリブレーションを試すと、いきなりエラーが発生しました。
しかし、少し経つと、正常に作動しました。なぜでしょうか?
巻き戻しを行ってストップすると、左側のリールのブレーキが甘いため、少しの間回り続け、テープがたるみます。そのため、キャリブレーション開始後の1秒くらいは左側のリールが回転しません。そのためバックテンションが掛からず走行不安定になっているのでしょうか?
メカを降ろします。
LED化を試しましたが、光源と照明窓の距離が近接していることのほか、スペースが限られていることなどから、断念しました。
左側のリールを取り外しました。予想通り、左側のリールのブレーキが脱落して紛失していましたので、シリコンチューブをはめ込んで接着固定します。
元通り組み立てて本体に戻し、早送り状態で停止したときの左側リールの動きを点検します。ピタリと停止するようになりました。
オートキャリブレーションはどうでしょうか?最初は成功しましたが、
何度か試しているとエラーになってしまいます。それでも8割方成功するといった感じです。
翌日は快調でした。
オートキャリブレーションは、回路構成が複雑なため、これ以上の対応は難しく、今回はここで修理完了です。