A&Dのオートリバースカセットデッキ、GX-R75CXです。
最近になって購入された機器とのことですが、「テープセレクターの不調」「録音に比べ再生音が小さい」「録音レベルを小さくすることができない」「バランスVOLを触ると音が歪んだり音が途切れる」などの不具合を抱えているということです。
ノーマルテープをセットしましたが、METAL表示のままです。録音不良もこれが原因と考えられます。
カバーとフロントパネルを取り外します。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
不具合は解消されました。
スライドVOLに接点復活剤を処置し、接触不良は解消されました。
写真中央のトランジスタが妙に傾いていましたので、少し修正しました。
すると、録音レベルを小さくすることが可能になりましたが、少し経つとまた不調になってしまいました。
スイッチ基板を取り外して点検したところ、先ほどのトランジスタ取り付け部に半田クラックが発生していましたので再半田し、不具合は改善されました。
ところが、再生中に常時「チリチリ・・・」というノイズが発生していることが判明しました。
右側のキャプスタンに触れるとノイズが増大します。一体なぜでしょうか？以前も同型機でモーター不良によりノイズが発生したことがありましたので、モーター交換を試みることにしました。
メカを降ろしました。
疑わしいのはキャプスタンモーターです。
同等品と交換します。
少しは良くなった気がしますが、レコードを再生しているような「プチッ」というノイズが短いスパンで発生します。
あれこれと悩んでいるときに、意外なことに気がつきました。ヘッドのアース線が切れていました。
途中で切れていますので、人為的なものが原因に間違いありませんが、今となっては知る由もありません。
メカを再度降ろして、切れたケーブルを復旧し、無事、ノイズは解消されました。
ということで、モーターは元に戻します。
メカの側面にスイッチ類が集まっています。
接点をケアします。
カセットホルダーを取り外し、
ピンチローラーを交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。テープの種類や左右リールのテープの巻き取り状態によっては、「コトコト・・」という小さな音が聞こえてきます。
再度メカを降ろします。
アイドラーが割れています。それで僅かに偏心して回転したため異音が発生していたようですが、部品は入手できませんので交換不可です。
なお、割れによって、ギヤを固定しているシャフトが抜け出して動作不良に至りますので、分解して接着固定します。
音出しはOKです。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度調整を行います。
再生バランス調整を行います。
アジマスの調整を行います。フォワード方向と、
リバース方向です。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。
