ナカミチのZX-7です。
故障したのは20年ほど前ということです。
再生ボタンに反応はありますが、ヘッドとピンチローラーが上がりません。ゴムベルト劣化のほか、ピンチローラーアーム固着があることが判明しました。ナカミチのサイレントメカのピンチローラーアーム脱着は、かなり厄介な修理になります。
早送り巻き戻しは、アイドラーがスリップしてリールが回転しません。
カバー、底板、フロントパネルを取り外します。
メカを取り出してカセットホルダーを取り外します。
ヘッドとピンチローラーを取り外します。ピンチローラーアームの取り付け位置をノギスで測定しておきます。
ピンチローラーアームを固定している留め具を、プーラーを用いて取り外します。
古いグリスが乾いて固まっていますので、半田ごてで加熱してピンチローラーアームを取り外します。
ゴムローラー表面を研磨して専用クリーナーで清掃します。右が処置後になります。ピンチローラーアームは、事前に測定しておいた位置に取り付けます。
モータープレート、フライホイールを取り外します。
リールユニットが取り付けられているプレートを取り外します。
ヘッドとピンチローラーを持ち上げるためのベルトです。硬化変形していますので後ほど交換します。
左右リールを脱着してグリスアップします。この時は気がつきませんでしたが、左写真をご覧ください。リール下部にブレーキ用のゴムが密着しています。相当の期間、この状態だったため、密着部のプラスチックが浸食されていたことが後ほど判明しました。
カチカチに硬化しているアイドラーゴムを交換します。
リール先端のキャップが割れています。同じ形状のAKAI製GXモデルのものと交換します。
誤消去防止孔検知スイッチの接点を磨きます。
リールベルトを交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。テープ走行OK、音も出ましたが、トレイを閉めたときや早送り時に、少し異音が発生します。
修理中は気がつきませんでしたが、左右リールのアイドラーが接する外周部分に、それぞれ1か所ずつ、段差ができています。おそらく長年ブレーキのゴムが密着していたため、浸食されたと思われます。これは交換しかありませんが、部品入手できない現在ではそれは叶いません。ただし、再生時は異音は発生しませんので、使用上それほど問題になる状態ではありません。
メーターの左右のバランスが狂っています。しかし、出力されている音量はそうでもありませんので何故でしょうか?
もう一点、キャリブレーションが不調です。特に、400Hzのテストトーンが一瞬しか鳴りません。
テストトーンの回路を見ると、劣化しやすいコンデンサー、いわゆる「オレンジキャップ」が3ケ使用されていることがわかりました。
交換するためには再度フロントパネルを取り外し、支障となる基板も脱着する必要があります。
交換し、無事復旧しました。
なぜかメーターバランスも正常になりました。まさかコンデンサーがメーターに悪さをしていたとは、思いもよりませんでした。ここで一旦、作業を中断し、残りのオレンジキャップ交換について、オーナー様に打診します。
その間に、ご依頼のあった電源コードの交換を行います。
GOサインをいただきましたので、交換しました。写真はドルビー基板ですが、ほかにも数か所に使用されています。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
キャリブレーションの調整、録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。














































