ナカミチ480です。
修理品ということで入手されたものの、数日で音が籠るようになり、その後は再生や早送りもできなくなったということです。
カバーを開けます。事前にお話しがありましたが、モードベルトがバンコードに交換されています。
再生と早送りはNGで、巻き戻しだけOKというのは非常に珍しい症状です。ポテンショメーターや動作を調整するための半固定抵抗の導通も問題はありません。
回路図を眺めましたが、全く見当がつきません。また、各部の電圧を測定しましたが、特に問題は見られません。コントロールモーターの動作に関係するパーツは相当数ありますので、今回はローラー作戦で順番に点検を行うことにしました。
作業は半分ほど進みましたが、トランジスタをひとつずつ取り外して点検するのはかなり地道な作業ですので、休み休み進めます。しかし、何度も部品脱着や動作確認という作業を繰り返しているうちに、ある事に気がつきました。写真中央のランプは、回転センサーのものですが、早送りと再生のボタンを押すと消灯してしまいますので、電圧降下が起きているということになります。
ランプの電源ラインを辿ると、2SC1096というトランジスタが関係していることがわかりましたので、取り外して点検すると、案の定、故障していました。早速、代替品の2SC1173と交換します。
ひとます復活しました。ここに至るまで半日以上要しましたので、その瞬間は何物にも代えがたいものがあります。しかし、なぜ巻き戻しだけ正常だったのかは、詳細不明です。
なお、左側のキャプスタンが磁性体でかなり汚れていましたので、再生開始後しばらくして発生する音の籠りについては、これが原因(磁性体の付着によってキャプスタンの径が大きくなり、右側の巻き取りよりも送り出すテープの量が多くなることにより、ヘッドタッチが弱くなるため)と考えられます。
メカ部分のメンテナンスに移ります。
背面から分解していきます。
接着剤で固められているのは、イジェクト用のワイヤーを固定する箇所です。経年劣化により割れたための処置と思われます。
回転センサー用のベルトを交換します。
誤消去防止孔の検出スイッチ接点を磨きます。
リール台を脱着してグリスアップします。
アイドラーゴムを交換します。
新しいベルトを掛けて組み付けます。
モードベルトを交換します。
カウンタベルトを交換します。
本体に戻して動作確認を行います。
トラブルの多いオレンジキャップを交換します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度を調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。ナカミチはテープポジション別に行う必要があります。
録音テストを行い、修理完了です。































