Audiolife - Enjoy your audio life!!

オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

日記

電解コンデンサーの寿命(測定編)

投稿日:2018年1月11日 更新日:

前回、電解コンデンサーの寿命について、一般論を記事にしましたが、その後、個人的に気になったため、実際に測定することにしました。

まず用意したのは、A&DのGX-Z9000のメイン基板です。GX-Z9000は1987年頃に製造されていますので、30年経過しています。

そこから取り出したのは、製造メーカーの記載はありませんが、ニチコンあたりでしょうか。4700μF/25Vが3ケ、2200μF/25Vが2ケ、10μF/50Vが2ケです。

測定に使用するのは、自作のキャパシタメーターです。それでは始めましょう。

最初は4700μFです。偶然にも3ケとも4190μF(89%)となりました。測定器の故障ではありません。

続いては2200μFです。1990μF(90%)、1900μF(86%)となりました。

最後は10μFです。2ケとも11μF(110%)です。

次に用意した基板は、SONY DTC-300ESのアナログ基板です。1989年頃の製造ですので約30年経過しています。

使用されているコンデンサーは高級品です。ELNA製6800μF/35Vが2ケ、ニチコン製と思われる1000μF/63Vが2ケ、ELNA製2200μF/16Vが2ケです。新品で購入すると1本1000円もするような代物が使用されています。

6800μFです。6090μF(90%)、6490μF(95%)となりました。

1000μFです。890μF(89%)、900μF(90%)となりました。

2200μFです。2390μF(109%)、2490μF(113%)となりました。

【まとめ】以上結果から、ほとんどのコンデンサーが30年経過後も90%程度の容量を維持しており、設計で見込んでいる安全率を考慮すると、動作に与える影響は、ほぼ無いと言えます。

ただし、電解コンデンサーは熱に弱いため、使用環境やコンデンサーの設置位置(パワートランジスタの近くなど)などによって寿命は大幅に異なること、また、既知の問題となっている不良コンデンサーについては、早期に交換することが望ましいことに留意が必要です。

-日記
-, ,

執筆者:

関連記事

ゴムの劣化(その2)

今日はゴムの劣化のうち、加水分解についてです。 SONYのカセットデッキでESG以降の機種のアシストモーター(トレイ開閉とヘッドの上下を駆動します)のベルトに発生します。他メーカーでもAIWAやTEA …

Casse-o-Player(スマホ・タブレット用mp3プレイヤー)

今回は、スマホやタブレット用の無料で使用できるアプリの紹介です。名前は「Casse-o-player」というmp3プレイヤーで、Google Playストアで入手可能です。 インストールしてスマホに保 …

今日の出来事

仕事柄、動作テスト中にテープをダメにすることが少なくありません。 ご覧のようにテープがケースとハブの間に挟まっています。年に一度は同様の状況に陥ります。 こういった場合でも、写真のように、カセットハー …

カセットテープと想い出

私と同年代の方でカセットテープと聞くと、青春時代を思い出すのではないでしょうか。 カーオーディオでもメインの音源でしたので、若い頃はドライブ用として好きな曲や流行りの曲をテープに編集したものです。 今 …

テープ縦方向のシワ

カセットデッキの整備を終え、最後の録再調整を行っていました。ところが、ほとんど完了したと思ったところで、 突然、左右バランスに異状が現れました。 デッキには触れていませんでしたので、テープを取り出して …

検索

2018年1月
« 12月   2月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

住所
066-0038
北海道千歳市信濃3丁目11-1-1
Audiolife 代表:小西隆幸
050-3717-0768(留守電専用です。トラブル防止のため、当店へのご連絡は記録が残るEメールをご利用ください)
E-mail:audiolife2017@gmail.com

営業時間
月〜金: 9:00 AM – 5:00 PM
土: 9:00 AM – 12:00 PM