今回は、本ブログ初登場のデッキです。
ナカミチのDR-10という、3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキです。1999年頃発売というかなり新しいモデルですが、テープセレクターが手動式になっているなど、ナカミチのこだわりが感じられる一台です。
再生不可という状況です。キャプスタンが回転していないことが原因です。
カバーを開けました。キャプスタンベルトが切れていることが確認されました。
メカを降ろしました。SANKYO製です。
背面には再生用のアンプ基板が取り付けられています。
分解を進めます。
キャプスタンベルトは加水分解で溶け切れていました。
オレンジクリーナーで溶けたベルトを除去清掃し、径80mmのベルトを掛けます。回転部分にはグリスアップします。
カセットハウジング内の化粧パネルを取り外します。
バックテンションベルトは健在?と思いましたが、これも加水分解で伸びています。
左右リールを脱着してグリスアップします。
新しいベルトに交換します。
カムモーターユニットを取り外します。
リーフスイッチの接点を磨きます。
カムモーターとリールモーターを無負荷状態で高速回転させて、内部接点の接触改善を図ります。
カセット検出スイッチの接点を磨きます。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。再生ヘッド、録音ヘッドともにほぼ狂いはありませんでした。
左右同レベルの信号を録再モニターしてバランス調整を行います。ナカミチはテープポジション別に行います。
聴感での録再状況の確認を終えて修理完了です。さすがナカミチという音です。