以前から当店をご利用いただいている方からのご依頼です。
テープ走行不良と、再生ランプ・スタンバイランプの点灯不良ということです。
ランプは点いたり点かなかったりといった感じです。
早速カバーを開けます。
まずはランプの点灯不良を修理します。
テスターで測定したところ、ランプ端子間の電圧が0Vとなっていることがわかりました。
ディスプレイ基板のコネクタ部を揺するとランプがチラチラします。コネクタに問題があるようです。
底板を取り外し半田付け箇所の点検を行います。
15ピンの半田部にクラックが生じています。他のコネクタにも同様のクラックが見られましたので予防措置として再半田を行います。
これで不具合は解消されました。
次に移ります。メカを降ろすためには、後部のAMTS用ソレノイドの脱着が必要です。
メカは内部の4本のビスで固定されています。
メカ背面です。ベルトが伸びて脱線しています。
カセットホルダーを切り離します。
再生用のリールベルトが溶けています。
パーツを取り外して中性洗剤で洗浄し、新しいベルトを掛けます。
キャプスタンモーターのプレートを取り外します・
ベルトはかなり加水分解が進行しています。
リールモーターを取り外すとアイドラーが見えてきます。
さらに分解を進め、内部の接点を清掃します。
アイドラーを脱着してゴムリングを交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトに交換します。
続いて再生用のアイドラーゴム交換を行います。
モーターを取り外し、
先ほどと同様、ゴムリングを交換します。
この状態で走行テストを行います。
ヘッド周りの清掃を行い、メカを元通り組み立てます。
本体に組み込んで動作テストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
オーナー様からのリクエストにより、TDKのCDing2を使用したときにバイアスとレベルのベストの位置がおおむねセンターになるよう調整を行います。
バランス調整を行い、
聴感で録音再生状況を確認し、
完成です。