A&DのGX-Z7100の修理です。
電源をONにするとトレイが勝手に開いてしまい、操作不能の状態です。
本体のカバーとフロントパネル、底板を外し、ケーブルコネクタを取り外してデッキメカを前方から取り出します。これまで修理履歴は無いようです。
幸いにもテープガイドの破損はありませんでしたが、左右ピンチローラーのアームが固着してまったく動きません。
固定しているEリングやスプリングなどを外し分解するのですが、グリスがガチガチに固まっているので慎重に作業を進めます。左側のピンチローラー部を分解した場合はテープパスの調整が必要となりますのでご注意ください。
取り外しました。写真中央部の金色の棒状のものが支点部になりますが、グリスが変質して白くなっています。CRC-556と綿棒で丁寧に除去し、グリスアップします。
動作良好になりました。ピンチローラーも表面の劣化が進んでいますので、専用クリーナー(S-721H)で清掃します。
左側のリール部についているバックテンション用のブレーキパッドが劣化して、強めのテンションが掛かってましたので、不織布を加工したパッドと交換します。
キャプスタンベルトは再利用可能な状態でしたが、カムモーターベルトは硬化しスリップしています。両方とも新品に交換します。
お馴染みのテープセレクターの検出スイッチの接点ですが、黒く変質していますのでクリーニングを行います。
組み立てし、動作チェックです。テープ走行の状態は良好です。調整に移ります。
上面の基板にテープ速度調整のVR,下面の基板にはオーディオ類のVRがありますので、テストテープと測定器を使用して調整を行います。
バイアスキャリブレーションの動作も良好です。以上修理完了しました。
デッキ不調でお困りの方は当店にご相談ください。