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ワンポイントメモ

テープの巻き込み

投稿日:2018年3月20日 更新日:

カセットテープを使用したことのある方は、一度は「巻き込み」を経験したことがあると思います。「巻き込み」といっても、大きく2パターンがあり、右側のキャプスタンに絡まってしまうというものと、テープがヘッドやテープガイドから脱線してテープがワカメ状になるものがあります。

前者は、キャプスタンやピンチローラーに付着した汚れにテープが貼り付くことにより起こりますが、発生する確率はかなり低いと思います。厄介なのは、後者です。

写真のような折れ目がつくものはまだマシな方で、ひどいときはテープがクシャクシャになります。

ではなぜ、このようなことが起きるのでしょうか?カセットテープは、右側のリールでテープを巻き取りながら、キャプスタンとピンチローラーで速度を制御しています。このときに左側のリール側でテープを引っ張ってやらないとテープが進行方向と垂直方向に振れてしまいますし、ヘッドにテープが密着しません。

このテープを引っ張る力が「バックテンション」というもので、DATデッキではモーターによる電子制御されているものもありますが、カセットデッキでは左側のリールにブレーキパッドやゴムベルトで摩擦によりブレーキをかけて回りにくくしているものがほとんどです。このブレーキにトラブルが発生したときにテープの脱線が起こりやすくなります。

もうひとつは、ダブルキャプスタン機に起きるもので、左側のピンチローラーの劣化や汚れによりテープ走行が不安定になり脱線が起こります。

これを防止するためには、定期的にピンチローラーとキャプスタンを清掃する必要がありますし、場合によってはピンチローラーの交換修理が必要になります。

当店では、AKAI(A&D)とSONY製のデッキを中心に取り扱っていますが、テープの脱線はSONY製に発生しやすい印象がありますので、お持ちの方は、まめにピンチローラーのクリーニングをすることをお勧めします。

なお、ピンチローラーのクリーナーは、当店でも販売しているアメリカンレコーダーテクノロジーズ社製の「S-721H」がゴムの弾力維持に効果的ですので、興味のある方は当店の販売サイトをご覧ください。

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