AKAIとA&Dのカセットデッキで、以下のモデルのメカは、一部詳細な部分を除きほぼ共通となっています。
AKAI:GX-93、GX-73
A&D:GX-Z9000、GX-Z7000、GX-Z9100(EX・EV)、GX-Z7100(EX・EV)
これらデッキをお持ちの方で、「テープの最後の部分で音が震える」という症状でお悩みの方はいらっしゃらないでしょうか?
アップテンポの曲ではわかりにくいのですが、スローなピアノ曲が録音されたテープではビブラートが掛かったように音程が上下するのがわかりますので、是非一度お試しください。
私がこれまで扱った上記デッキでは、2~3割の機器に発生していますので、決して珍しい故障ではありません。
では、なぜこのような症状が現れるのかというと、
これはメカを正面から写した写真ですが、
左側のリールを外すと、灰色のブレーキパッドが付いているのがわかります。これは、再生時にリールにブレーキを掛けることによりテープにテンションを与えテープ走行の安定等を図るためのものです。
このパッドの材質は、硬めのフェルトなんですが、長期間の使用により、表面が固められてツルツルになります。そうすると、必要以上の摩擦が発生しリールへのブレーキが掛かりすぎて、テープ走行が不安定になり音が揺れます。
こうなると、パッドを交換するしかありませんが、
市販のフェルトでは柔らかすぎますので、当店では、不織布製のシートを切断し代用しています。
これにより嘘のように音揺れが解消されます。
なお、テープの最後で音揺れが発生する理由は、左右リールに巻き取られているテープの量により、右側のリールへの負荷が変化するためです。
GX機の不調でお悩みの方は当店までご連絡ください。