SONYのDATデッキDTC-ZE700の修理です。
久しぶりに電源を入れてテープを入れPLAYボタンを押したらC
梱包を開けるとインシュレーターが破損していました。セラミック製などではたまに破損事故が起きますが、この機種は普通のプラスチック製ですので、破損することは非常に珍しいです。綺麗に真っ二つに割れていましたので接着も綺麗に行うことができました。
カバーを開けて動作確認を行います。
テープをローディングしますが、最後の「カチッ」という音が聞こえません。CAUTION表示となります。テープを取り出すためには電源を一旦OFFにして、再度ONにした直後にEJECTボタンを押します。
メカを取り出しました。3mmほどの小さなパーツが脱落しました。これは想定内です。
このトレイメカは、2000ES、ZA5ES、59ESなどに採用されていますが、プラスチック同士が接する箇所の滑りが悪くなり、勝手にトレイが閉まるといった不具合が発生しますのでシリコングリスを塗布しそれを予防します。
メカ底部の基板、リールユニットの順に分離していきます。
先ほどのパーツはここから脱落していました。ギヤを固定する留め具が劣化して割れたのが原因です。左側も簡単に外れましたので、いずれそのうちに完全な不動になったものと思われます。
同じパーツは入手不可ですので、Eリングを用いて固定します。
テープガイドを駆動するメカのメンテナンスを行います。
スライドする箇所にシリコングリスを塗布します。
今回の故障の原因はこのギヤです。回転しますが滑らかではありません。
この黒いギヤの軸の部分に塗られたグリスが固まっています。
異音防止のため、ほかのギヤも脱着して再グリスを行います。
左右リールです。停止時はブレーキが掛かっていますが、ブレーキを解除してもテープ走行を安定させるたまに内部のスプリングで回転に抵抗を与えています。高速回転する箇所ですので分解してグリスアップします。
メカを組み立てました。
ヘッドホンVOLのメンテナンスを行います。フロントパネルを外して水色のVOLにアクセスします。隙間から接点復活剤を吹き込んで何度かツマミを回転させると完璧に改善されます。
本体に組み込んで動作テストを行います。非常に滑らかな動作になりました。
各モードで録再チェックを行い修理完了です。