本ブログ初登場、VICTORの3ヘッドカセットデッキ、TD-V707です。
TD-V931の後継機ということです。
巻き戻しは可能、再生と早送りが不可ということです。これまで扱ったVICTORのデッキと症状が違います。
早速カバーを開けます。オーディオ回路にはノイズシールドで覆われています。メカはTD-V931の流れを汲んでいるようです。
メカを取り出す前にシールドカバーを取り外し、
ハウジングランプの半田接続部を切り離します。
これまでのモデルと1点大きく変更となった箇所があります。右写真はTD-V931ですが、右側リールはキャプスタンの回転を利用し黒い大きなアイドラーで駆動するようになっていますが、
V707は、左右リールともリールモーターで駆動するという一般的なスタイルになっています。ではなぜ今回の機体は右側リールだけ回らなかったのかというと、写真をよく見ると、アイドラーが少し前方にせり出しているのがわかります。右リールは左側とは形状が異なるため、右側リールのみギヤがかみ合わなくなったようです。
しかし、ほかの不具合を見逃してはいけません。モーターを取り外すと、やはりギヤが欠けていました。これは従来モデルと共通のウイークポイントです。
形状は異なりますが、同径、歯数の同じギヤを代替品として流用します。黄色いワッシャーは、スペーサー兼ズレ留めです。
ヘッドやピンチローラーの上下動を行うモーターのギヤも欠けにくいタイプに交換します。
ピンチローラーとヘッドは専用クリーナーで清掃します。
キャプスタンモーターです。基板を取り外し点検を行います。電解コンデンサーは既に交換済みです。
ベルトは新品交換します。
メカを本体に戻して動作テストを行います。
VOL類にガリがあるということですので処置を施します。化粧パネルを取り外します。
バランス、バイアス等のVOLです。隙間から接点復活剤を注入します。
ヘッドホンVOLです。
RECVOLです。
点検調整に移ります。テープ速度です。0.5%以内に収まっています。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
独立ヘッドですので、録音ヘッドのアジマス調整も行います。
バイアス調整を行った状態で、入出力レベルの調整を行います。
完成しました。