少し前に当店でカセットデッキを修理された方から、今回は、SONYの高級機TC-K777ESⅡの修理依頼をいただきました。
10年ほど前に中古入手したものの、すぐに不動になり、そのまま保管されていた機体です。
保管中に何らかの理由でトレイが歪んでしまったとのことです。
カバーを開けます。キャプスタンが回転していませんので後ほど処置を行います。
フロントパネルを引き抜きます。
トレイはハメコミ部が外れていただけでした。
まずはメカの整備を行います。
背面から分解していきます。
リールユニットを取り出します。
再生用のアイドラーを取り外します。
ゴムがプラスチックのように固まっています。新品交換します。
リールユニットを分解すると、早送り巻き戻し用のアイドラーが現れます。
かなり硬化していますので新品交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けて組み付けます。
キャプスタンモーターが回転しないのは、写真中央の黒ずんだスイッチの故障と思われます。このスイッチは、モーターの調整時に切り替えを行うものですので、ほとんど使用することはありません。
試しに直結してみると、動作しましたので間違いありません。
スイッチを交換します。
動作OKです。
固定側の出力端子の接触不良があるということでしたが、特に問題は無いようです。
半田割れも見られませんでしたが、念のため、端子の再半田を行います。
点検調整に移ります。315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度が許容範囲内に収まっているか確認します。
再生ヘッドのアジマスに狂いはありません。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。
