DENON社製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、DR-M25HXです。
サブ機として中古購入し、オーナー自らベルト交換したものの、「速度が遅い」「音揺れ」「再生状態でピンチローラーが回転していない」などの不具合があるということで当店にご依頼がありました。
ところが、当店での動作確認では、それら不具合は一切再現しませんでした。ただし、再生中にパーツが擦れる「カサカサ」という音が気になります。音の感じから、キャプスタンの回転に関係があるようです。
カセットハウジング内を目視点検します。写真は処置後ですが、キャプスタンに取り付けられているナイロンワッシャー(赤色の矢印)が左右とも5mmほど前方に移動していました。
おそらくベルト交換した際の組み付け不良が原因ですが、このワッシャーがピンチローラーに干渉し、速度低下や音揺れなどの不具合をもたらしていたと考えられます。
念のため、数時間再生確認を行ったのちに、オーナー様に上記の経緯をご連絡します。
結果として、今回は、点検と調整のみを行うということになりました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。テープポジションによって多少バラつきがあります。これは調整できませんが、3ヘッドですので、録音の際に手動で微調整することで対応可能です。
CDを録再モニターして状況を耳で確認し、作業は完了です。