SONY製3ヘッドカセットデッキ、TC-K666ESの修理依頼をいただきました。
左右リールがDD仕様という、ESモデルの中でも異端児といえます。
メーターが振り切ったままです。
テープ走行は正常ですが、再生音は出ません。
モニター表示ランプが点灯しません。LINE-INに接続した機器の音は出力されますので、TAPEに切り替えができないようです。
回路図を確認します。「TAPE」と「SOURCE」を切り替えるリレードライブ、ランプドライブ回路に故障があるようです。また、メーターが振り切るというのは、アース不良が原因であることがほとんどです。
カバーを開けます。
底板も取り外します。
録音基板には、銅板を用いたアースラインがありますが、その半田部にクラックが発生していましたので、再半田を行います。SONY製品によく見られる不具合です。
不具合はずべて解消されました。
しかし、ピンチローラーのクリーニングを行っているときに、新たな不具合を発見しました。
これは再生時のヘッドとピンチローラーの状態ですが、左側のピンチローラーが下がっているのがわかります。
慎重に取り外し、乾いたグリスを拭き取ってグリスアップします。
今度は大丈夫です。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
巻き取りトルクとバックテンションを点検します。
時折右側のレベルが変動します。666ESによく見られる状況です。
録音基板上に出力を切り替えるリレーがあります。
接点の接触不良が起きていますので、カバーを外して接点を磨きます。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
録音状況を耳で確認し、修理完了です。