ケンウッド製2ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、KX-880Gの修理依頼をいただきました。
10年ぶりに使用したところ故障していたということです。修理歴は無いようです。
テープをセットして再生ボタンを押しました。一瞬もたつきましたが、テープ走行が始まりました。
音が出ません。メーターも振れません。また、なぜかカウンターが「1」のまま動きません。
カウンターは、いつのまにか正常な状態に戻りました。インデックススキャン状態だったのかもしれません。
カバーを開けて点検を進めます。両CHとも音が出ないということは、電源ラインの故障の可能性が大です。テスターで各部の電圧を点検すると、-7.2Vラインが死んでいることがわかりました。
バックパネルとフロントパネルを取り外し、写真のような状態で作業を進めます。
Q10(2SA933)のトランジスタが故障していましたので、代替品の2SC733と交換します。
しかし、残念ながら音は出ませんでした。
交換したトランジスタに触れると、火傷するほど高温になっていましたので、取り外して点検したところ故障していました。ということは、-7.2Vラインのどこかでショートが起きているということになります。
回路図で確認すると、-7.2Vは、ドルビー基板に供給されています。
見つけました。電解コンデンサーがショートモードで故障していました。
+7.2Vラインにも同じパーツが使用されていますので、両方とも交換しました。
ようやく音が出ました。しかし、音は正常に出力されていますが、メーターの動きが変です。
メーター基板上の電解コンデンサーすべて交換します。
無事復旧しました。
後々のトラブル予防のため、再生基板、
録音基板、
ドルビー基板(先ほど交換したもの以外)の電解コンデンサーを交換します。
動作確認中に、新たな不具合が生じました。ヘッドが上がったままになり、キャプスタンは回転するものの。巻き取り側のリールが回転しないため、テープがどんどんと弛んでいきます。
この状況は、コントロールモーターユニットの不具合が原因ですので、指でモーターシャフトを回転させたところ、正常な状態に戻りました。モーター内部の接点に接触不良が起きているようです。
メカの整備に移ります。カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
硬化しているピンチローラーを交換します。
リールとアイドラーを取り外します。支障となるパーツを取り外し、指先のビスを緩めます。
コントロールモーターユニットを取り外します。
モーターでON-OFFするスイッチ接点を磨きます。
モーターを分解します。
接点を磨きます。
元通り組み付けて慣らし運転を行います。
リールモーターも空転させて内部接点の接触改善を図ります。
カセット検出スイッチの接点を磨きます。
オートセレクタ用スイッチ接点を磨きます。
元通り組み付けて動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。大幅な狂いがありました。
録再バランス調整を行います。使用するテープによってややバラツキがありますが、これは仕方ありません。
録音テストを行い、修理完了です。


























































